愚か者からテクニカルダイバーへ 6
数十年前のテクニカルダイビング出会う前のお話です。
このシリーズの話は実際の出来事を元に書いていきます
登場する人物名は仮名を使う事もあります。
インストラクターとしてではなく一人のダイバーの物語です。無謀なダイビングで愚か者にならないようにしてください。
いよいよ水深80mを超え、当時のシングルタンク用のBCDはかなりの量の空気を入れても
中性浮力が取りにくくなり、レギュレーターの呼吸も抵抗が増してくる。
潜降開始から8分ほど経過している。もちろん当時のコンピューターも減圧停止の指示は表示されている。
ゴロタが無くなり砂地に変わる。砂地になり10mほど先に2m~3m四方の平らな岩が。
そこにムチカラマツが一本。
他に生物がいた記憶はありません。あのムチカラマツにまだ見たことのない生物がいるのでは!
と思い、あれを確認したら戻ろう。一本のムチカラマツに惹かれて進む。
深度は83.4m。ムチカラマツにライトを当て生物を探してみるが、焦点が合わず
生物どころではない事に気付き、これは戻ろうとコンパスを確認した。
すると目の前が真っ白な何もない空間に!
潜っていたのではなかったのか?水深80mは夢だったのか?
もしかして死んでしまった?あの世ってこんな場所?
続く