大のカナヅチで海が大嫌いだった私 第1話
こんにちは!
スティングレイ・ジャパン スタッフの鈴木智子です。
先月、沖縄に眠る沈没船、USSエモンズに潜ってきました。
ゲストの皆様は約1年間USSエモンズを目指してテクニカルダイビングのトレーニングを積み、念願が叶いました。
何度もUSSエモンズに潜ったことがあるけれど、今回新たな領域へ挑戦ができたゲスト様もいらっしゃいました。
ゲストの皆様がこれまで様々なことを乗り越えてきたのを、ずっと近くで見ておりましたので、
皆様が夢を叶える瞬間に立ち会えたのは、私もとても幸せでした。
そして新たな夢や目標が無限に広がっていくのもダイビングの奥深さだと思っています。
ゲストの皆様の夢を叶えるお手伝いができることは、ダイビングインストラクターとして これ以上ない幸せなことだと日々噛み締めています。
私は現在SDI、TDIそしてPADIというダイビング教育団体のインストラクター資格を持ち、活動しています。
ダイビングインストラクターである前に、ダイビングが大好きな、1人のダイバーでもあります。
無限の楽しみ方や、魅力のあるダイビングを人にお伝えすることができるダイビングインストラクターという職業。
この道を選んで良かったと心から感じています。
ただ、ダイビングを始める前の私は、自分がダイビングインストラクターになるなんて想像もできないし、想像したくないようなことだろうと正直思います。
なぜなら以前の私は海はおろか、お風呂場の水でさえ抵抗を感じるような水が大っ嫌いな人間だったのです。
今日は、そんな私がダイビングに出会うまでのお話をしたいと思います。
2007年7月、18歳だった私は、小学校3年生から続けていた乗馬に情熱を注いでいました。
既にダイバーだった、姉でありスタッフでもあるミヤコが「私は一生ダイビングをして生きていく!」と熱くなって喋っているのを毎日のように聞いていましたが、水に恐怖心のある私は、水中に潜るなんて到底想像ができず、さらに当時メイクや髪型にこだわっていた私は、水中に入る=メイクや髪型が崩れちゃう!というイメージがあり、「絶対わたしには無理!」と思っていました。
1年かけてミヤコより「体験ダイビングでいいからやってみてほしい」と誘われ続けましたが断り続けていました。
そんなに言うなら、ミヤコも体験乗馬をやってくれるならば、私も体験ダイビングをやっても良いよと交換条件を出して、お互いに自分の大好きなものを一緒に体験するという約束をしました。
当時の私はとにかくミヤコに乗馬をやってほしいという気持ちでした。
ダイビングに関しては恐怖心はずっと持っていましたので、1度お店に説明だけでも聞きに行き、それから考えようと思っていました。
すぐにミヤコがお店に日程の相談をし、私が体験ダイビングの説明を聞きに行く日程が決まりました。
私はかなり後ろ向きな気持ちだったのが正直なところでしたが、姉であるミヤコがこんなにもハマり、人生をかけたいと思ったダイビング。
そして信頼しているダイビングショップのインストラクターとはどんな人達なのか、すこし興味はありました。
これが、現在わたしがダイビングインストラクターとして活動しているスティングレイ・ジャパンとの出会いです。
初来店の日。
当時ダイブマスターコース中だったミヤコと、スティングレイ・ジャパンの当時のスタッフが
ダイビングの魅力や、体験ダイビングについての説明をしてくれました。
とにかく不安でたまらなかった私は、
「もしも水中で呼吸する器材が故障したらどうするんですか?」
「身体に異変が起きたらどうするんですか?」
「器材にはどんなトラブルがありますか?器材の信頼性は?」
「同時にいろいろなトラブルが起こったらどのように対処しますか?」
「ダイビング事故ってどんなことがあるんですか?」
…などなど、ダイビングでこんなことがしたい!とか、楽しそう!というよりリスクやトラブルに関しての質問ばかりしていました。
スティングレイ・ジャパンのインストラクターは、全て丁寧に答えてくれました。
まだ行った事のない水中世界。
不安に対しての対処を理解できたことにより、「なんか、できるかも…」と思ったのを覚えています。
体験ダイビングの日程も決めて帰宅することになりました。
その時です。
スタッフルームから、金髪のチャラチャラしたガラの悪い男の人が出てきました。
帰宅しようと身支度をしている私に向かってきて金髪の人は名刺を差し出し、言いました。
「はじめまして。スティングレイ・ジャパン代表の野村です。」
!!!!!!!
衝撃的でした。
ミヤコから日頃、「ショップの社長のことをとても尊敬している。色々なことを教えてもらっている」と聞いており、社長のことはよく話に出てきていました。
私の勝手な想像では、爽やかで真面目な雰囲気の素敵な大人の男性でした…(失礼)。
まさか、こんなブリーチにブリーチを重ねたような白に近い金髪で(しかも当時はちょっとロン毛だった)、ガラの悪い金色のチェーンのようなネックレスを2重にかけ(当時は今よりチャラチャラしていた!)、手元も金色のゴツイアクセサリーを身につけて、かつ、低いテンションで、笑顔も一切見せず、話しているこの人が、ミヤコが憧れている社長だとは…!!
っていうか、接客業の社長が、こんなに感じ悪いって、有りなの!?
そんなことを考えていました(笑)。
「あっ・・ミヤコの、妹の鈴木トモコと申します。今度、体験ダイビング、宜しくお願いします……」
せっかくダイビングのいろいろな話を聞いて、体験ダイビングに対して前向きになってきていたのに、社長との出会いに18歳の私は衝撃を受け、翌月に控えた体験ダイビングがやっぱりあまり楽しみでは無くなってしまったのでした…。
第2話に、続く…。